RENOVATION
JOURNAL
リノベの情報マガジン
2023.01.27 金
No.31
リノベーションのコト
玄関土間の床材には何がおすすめ?種類や特徴、選ぶポイントを紹介!
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玄関は家の印象を大きく左右する場所であり、土間に使う床材も重要な要素のひとつです。
今回はこだわりの家づくりを目指す人に向けて、玄関土間の床材の選び方や、床材の種類別メリット・デメリットなどを紹介します。
玄関土間に使用する床材の種類
タイルやコンクリート、モルタルなど、床材には様々な種類があります。まずは、よく玄関土間に使用する床材の種類を紹介します。
タイル
タイルは、色や模様、柄、形、大きさなど、バリエーションがとても豊富です。
和の空間・洋の空間のどちらでも演出できるので、どんな住宅にも取り入れやすい素材です。粘土や長石などで作られた「磁器タイル」、素焼きの「テラコッタタイル」などがよく玄関に使われています。
価格もタイルの種類によってピンキリなので、自分の予算やこだわりによって選べるのも魅力です。
コンクリート
コンクリートは、セメント、砂、砂利に水を加えて混ぜた素材です。
無機質な色合いや質感から、クールな印象を与えるコンクリートですが、意外と蓄熱しやすい性質があります。骨材として砂利を混ぜることから、強度が強いのもコンクリートの特徴です。
モルタル
セメントと砂、水を混ぜ合わせているのがモルタル。コンクリートとほとんど同じ材料を使った素材ですが、粉状のセメントと砂でできていることから、なめらかな仕上がりになります。やわらかく小回りが効きやすいので細かな作業に最適です。
施工方法は主に、金鏝(かなごて)を使って平滑な表面にする「金鏝仕上げ」と、表面をあえて凸凹にする「洗い出し」の2種類です。施工方法によって風合いが変わり、異なる魅力が出ます。
モールテックス
モールテックスは、モルタルと似た仕上がりで使っている材料もほとんど同じことから、モルタルと勘違いされることがあります。モールテックスは「セメントに特殊な樹脂」を加えている素材という点がモルタルとの大きな違いです。
そのため、仕上がった表面は、セメントの質感を残しながらも、たゆみに強くなります。水にも強いので、水回りへの使用も可能です。
フロアタイル
フロアタイルは、合成樹脂製のポリ塩化ビニルでつくられたタイル状の床材です。ポリ塩化ビニルの略称である「塩ビ」とタイルが組み合わさって、塩ビタイルとも呼ばれています。
価格も安価で加工がしやすく耐久性にも優れていることから、DIYでも人気のある床材のひとつです。
木目調や石目調などデザインが豊富に取り揃えられているため、玄関はもちろん水回りでも使用できるので室内の印象に変化をプラスしてくれるアイテムです。
天然石
床材に使われる石材は、昔から使われている高級感たっぷりの御影石や大理石などの天然石が一般的です。戸建てだけでなく、マンションの玄関に取り入れられるケースも増えています。
それぞれの石材が持つ色合いが異なり、表面の加工方法によって質感が変わるので、ひとつとして同じ玄関にならないのが特徴です。
【種類別】玄関土間に使用する床材のメリット・デメリット
次に、先ほど紹介したタイルやコンクリートなど、玄関土間に使用する床材のメリット・デメリットをお伝えします。
タイルのメリット・デメリット
<メリット>
①耐久性が高い
素材がとても硬いので、ちょっとしたことでは傷が付きません。変色や変質などの心配もほとんどありません。
②メンテナンスしやすい
吸水しづらい素材なので汚れにくく、水洗いがOK。頑丈なのでデッキブラシでこすり洗いしても問題ないのも大きなメリットです。
<デメリット>
①価格が高い
コンクリートやモルタル、モールテックスに比べると、価格は少し高め。しかし、種類が豊富なので、工夫すればリーズナブルに抑えることも可能です。
②目地に汚れが溜まりやすい
材間の隙間部分にゴミやほこりが溜まりやすい傾向があります。
ただし、メンテナンスしやすい素材のため、汚れが気になる場合は水とデッキブラシでこすり洗いしたり、濡れた雑巾で拭いたりするなどで対処できます。
コンクリートのメリット・デメリット
<メリット>
①無機質でクールな印象を与える
グレーっぽい素材の色合いや材質から、生活感が漂わないクールな印象を与えます。
②タイルや天然石よりもリーズナブル
比較的安価な素材のひとつとして知られるコンクリート。施工費用を抑えたい方にもおすすめです。
<デメリット>
①乾燥によってひびが入ることもある
材質の特性上、乾燥でひび割れが起こることもあります。気になるようなら業者に補修をお願いするのが良いですが、風合いとして楽しむのもおすすめです。
②防塵塗料を塗る必要がある
吸水性のある素材なので、表面に防塵塗料を塗っていない場合、水分を吸収してそのままシミになってしまいます。汚れを防止するために事前に防塵塗料を塗っておくと安心です。
モルタルのメリット・デメリット
<メリット>
①モダンでかっこいい印象を与える
コンクリート同様、無機質な素材なので現代的でおしゃれな印象を与えます。
②コンクリートよりも柔軟に仕上げられる
モルタルのカラーはグレーが一般的ですが、色付きの商品もあります。素材も滑らかなので柔軟に仕上げられるのがメリットです。
<デメリット>
①ひびが入りやすい
コンクリート同様、乾燥によるひびが入りやすい素材です。また、温度差による収縮や地震の揺れなどによる影響からもひびが入る場合があります。
ひび割れも風合いととらえられますが、気になる方は温度や湿度管理がおすすめです。
②シミができやすく落としにくい
水や油などを吸収しやすく、吸収した部分が黒っぽいシミになってしまいます。汚れを防止したい方は、事前に防塵塗料を塗るようにしましょう。
モールテックスのメリット・デメリット
<メリット>
①洗練された雰囲気に仕上がる
コンクリートやモルタルとほとんど材料が同じモールテックスも、材質の風合いからスタイリッシュな雰囲気に仕上がります。
②接着性・柔軟性がある
セメントに特殊な樹脂を加えていることから接着力が強く、様々な素材に塗りつけることができます。また、まげやたゆみに強く、柔軟な素材です。
<デメリット>
①完成までに少し時間がかかる
モールテックスの施工工程は塗装から乾燥、2度塗り、研磨などと少し複雑です。そのため、完成までに少し時間がかかります。
②美しさを保つためにはメンテナンスが必要
モールテックスは耐久性や防水性には比較的優れていますが、コンクリートやモルタルと近い素材のため、ひびが入りやすくシミが付くと落としにくい傾向があります。
美しさを保ちたいなら防塵塗料の塗り直しなど、定期的なメンテナンスが必要でしょう。
フロアタイルのメリット・デメリット
<メリット>
①耐久性や粘着性に優れている
フロアタイルは加工しやすい素材です。カッターナイフやはさみでカットできて簡単に施工できることからDIYでも用いられることが多くなりました。
クッションフロアとは違い、適度な硬さがある耐久性の高さが特徴で、比較的に施工がしやすい材料です。
ただし、きれいに施工するには技術が必要です。ご自身で施工するに抵抗がある方は、プロに相談すると良いでしょう。
②デザインのバリエーションに富んでいる
木目調なデザインから石目調のマットな質感のデザインなど、さまざまバリエーションがあるフロアタイル。お部屋のスタイルにあわせて玄関土間をデザインすることが可能です。
デザインの豊富さから、住宅はもちろんオフィスなどの幅広い用途で使われている人気の床材です。
③材料費が安い
本記事で紹介している床材のなかでも比較的安価に施工できるのもメリットでしょう。
デザインやメーカーによって価格差はあるものの、フロアタイルは1㎡あたり5,000円前後が相場です。工事費をプラスしてもコストを安価に抑えることができます。
<デメリット>
①浮きが生じる可能性がある
フロアタイルは経年変化によって接着が弱まり、浮きが生じる可能性があります。フロアタイル自体は撥水にも優れている素材ですが、広い範囲を施工すると継ぎ目が多くなる形状のため、浮きによる継ぎ目からの浸水には注意が必要です。
隙間から水が入ってしまうと、カビの原因や汚れの原因になる場合があります。
帰宅時などで床が濡れてしまった場合、すぐに乾いた雑巾でふき取るようにして、継ぎ目からの浸水を防ぎましょう。
②耐熱性には優れていない
フロアタイルは融点が85℃~200℃と熱に弱い素材です。熱によってゆがみや膨張する恐れがあります。
玄関土間や水回りの床として施工する素材としては優れているものの、床暖房との相性は悪いため、利用シーンが限定されてしまいます。
天然石のメリット・デメリット
<メリット>
①世界にひとつだけのデザインが楽しめる
自然が生み出した石材の模様が楽しめるので、誰とも被ることない玄関土間がデザインできます。人工とは一味違う高級感も魅力です。
②空間が広く見える
大理石のような天然石は、光沢感によって広がりや奥行きを感じさせてくれます。淡いカラーの天然石を選べば、光を受けるとさらに輝きが増し、より一層空間が広く感じるでしょう。
<デメリット>
①費用が高い
天然石そのものが高価なので、他の素材に比べて施工費用が高くなる傾向にあります。また輸入品の場合は搬入にかかる費用や取り扱いが特殊になり施工費が上がる場合もあります。
②メンテナンスが大変
水拭き可能な天然石ですが、酸がNGの天然石も多いので、酸の入った洗剤は使えない場合がほとんど。そのため、頑固な汚れは業者にお願いするのが良いでしょう。
玄関土間の床材の選び方とポイント
床材の選び方は、予算、デザインのバランス、機能性に気をつけて選ぶ必要があります。それら3つについて詳しく紹介していきます。
予算に合わせて選ぶ
同じ床材でも種類や加工方法などによって費用は異なります。しかし、一般的にタイルや天然石よりもモルタルやコンクリート・塩ビタイルの方がリーズナブルな傾向にあります。
そのため、予算をできるだけ安価に抑えたいのであれば、モルタルやコンクリート・塩ビタイルがおすすめです。
空間全体とのバランスを考えて選ぶ
床材の種類や色、デザインによって、空間イメージがガラッと変わります。あまりにも床材とその他の玄関の雰囲気が違うものだと、調和が取れにくくなってしまいます。
そのため、玄関全体の印象や玄関扉や内装材の色や素材、デザインなどを考慮して選ぶのがポイントです。
機能性・安全性で選ぶ
予算や空間デザインなどの観点だけでなく、お手入れや掃除をしやすくする、摩擦が少なく滑りにくい素材にするなど、機能性で安全性が高い床材を選ぶことが大切です。
土足で歩く玄関土間は、砂埃が上がってきやすい場所なので、お手入れしやすい素材にすることで、美しい空間を保ちやすくなります。また、雨の日は靴が濡れて滑りやすくなるので、お子さんやお年寄りがいる家庭は、滑りにくい素材を選ぶと安心です。
参考にしたい!セナリノベの玄関・土間施工事例
セナリノベでは、玄関・土間を含めた住まいの提案を行っています。空間全体の雰囲気と調和を考えながら、和や洋、レトロモダンな雰囲気など、ご希望に合わせた玄関土間を創造しています。これからマイホームを購入する人やリノベーションを検討する人はぜひ、参考にしてみてください。
玄関の狭さを解消する「土間玄関」がある暮らし
自転車も収納できる土間玄関。マンションのよくある悩みのひとつ「玄関の狭さ」を解消した事例です。
もともとあった一部屋を大空間の土間玄関にリノベーションし、大きな土間玄関にすることで開放的でかつ、帰宅時の圧迫感がなくなり収納力もUPしました。
お客様にインタビューした記事も紹介しています。気になる方は、ぜひご覧ください。
まとめ
玄関土間の床材選びは、住まいの印象に大きく関わるもの。それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解した上で、今回紹介した選び方のポイントを参考に自分の暮らしに合うものを選んでみましょう。
セナリノベでは、リノベーションした住宅をリーズナブルな価格で販売すると共に、こだわりの「自由設計」でお届けしています。玄関土間のリノベーションを考える方はもちろん、新しい住まいの購入を検討している人はぜひ、ご相談ください。