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床暖房を後から付けたい方必見!リノベーション方法と費用相場をご紹介

No.23

リノベーションのコト

床暖房を後から付けたい方必見!リノベーション方法と費用相場をご紹介

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「寒い季節が来たら暖房器具を出して、暑い季節が来たら片付ける」そんな一連の動作は意外と面倒なものです。床暖房を設置してしまえば、そんな煩わしい家事ともお別れできるため、後から床暖房の導入を検討している方も少なからずいるでしょう。

そこで今回の記事では、床暖房の種類やそれぞれのメリット・デメリットからリノベーション方法まで紹介します。費用相場もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

床暖房の種類

床暖房は大きく「電気式」と「温水式」の2種類に分けられます。まずは、それぞれにどんな特徴があるのか紹介します。

電気式

電気式の床暖房は、床下に電気で熱を発するヒーターの仕組みで床を介して部屋を暖めます。電気式とひと口に言いますが、「蓄熱式」「電熱線式」「PTC式」などに分けられ、それぞれ違った特徴があります。

蓄熱式

「蓄熱式」は、深夜電力を活用して電気を蓄え、蓄えた電気を日中に放熱する方法です。深夜は電気代が安くなるため、月々の電気代を軽減しやすいのが特徴です。

電熱線式

「電熱線式」は、電熱線が貼られたヒーターに電気を直接流して床を暖める方法です。他の熱源機器を必要としないので、設置が簡単で初期費用も抑えられます。

PTC式

「PTC式」は、面状またはチップ状の熱源が、自動で温度調節しながら床を暖める方法です。同室内でも、場所によって床の温度が偏る場合がありますが、PTC式の床暖房は部分的に温度を感知できるため、床面温度を自動で一定に保ってくれます。

温水式

温水式の床暖房は、水を温めて放熱して床を介して部屋を暖めます。温水式も「電気式」「ガス式」「ハイブリッド式」などに分けられ、違った特徴を持っています。

電気式

「電気式」では、ヒートポンプを使用し、空気の熱を暖房に活用しながら効率よく熱エネルギーを生み出して床を暖めます。

ガス式

「ガス式」では、ガス給湯器でお湯を沸かして配管に循環させて床を暖めます。

ハイブリッド式

「ハイブリッド式」は、電気とガスのメリットを活かした次世代の床暖房です。立ち上がりが非常に早く、ランニングコストが抑えられるのが特徴です。

床暖房の種類別メリット・デメリット

床暖房を後から付けたい方必見!リノベーション方法と費用相場をご紹介

電気式、温水式ともに特徴を持っていますが、メリットやデメリットもそれぞれ違っています。ここでは床暖房の種類別にメリットとデメリットを紹介していきます。

電気式のメリット

電気式の床暖房の大きなメリットは、設置方法が比較的シンプルなことです。温水式と比較すると初期費用も少しリーズナブルに抑えられます。

既存住宅にも導入しやすく、床暖房の施工だけなら最短1日で工事ができます。

ただし、その他も下地や仕上げを含めると最短でも3日~4日ほど必要です。工事期間は施工する範囲に影響しますので、余裕を持ったスケジュールを計画しましょう。

電気式のデメリット

電気を使用して床を温めるため、電気代のランニングコストがかかります。

また、暖まるまでに少し時間がかかったり、電熱が通っていない場所は冷たいままだったりするのが電気式のデメリットと言えるでしょう。

温水式のメリット

温水式の床暖房は、床下のパイプに温水給湯器で温めた水を流すため、部屋がスムーズに暖まるので、温度のムラが少ないのがメリットです。

その他、電気式暖房に比べて、ランニングコストがリーズナブルに抑えられる傾向にあります。

温水式のデメリット

床下に配管設備を設置する作業を行います。給湯器の設置も必要なため、電気式暖房よりも初期費用がかかる傾向にあります。

また、電気式・温水式のどちらにも言えますが、場合によっては床暖房の導入が難しい住宅もあります。不安な方は、事前にリフォーム業者に相談すると安心です。

他にも、床材がそもそも床暖房に対応していないケースが多くあります。相談をする際には、建物の設計図面や仕様書があると話がスムーズに進みます。

床暖房のリノベーション方法

床暖房を後から付けたい方必見!リノベーション方法と費用相場をご紹介

床暖房のリノベーション方法は、既存の床上に暖房を設置する「重ね張り式(上張り式)」と、既存の床を剥がして暖房を設置する「張り替え式」の2つに分類できます。

ここではそれぞれのリノベーション方法について詳しく紹介します。

重ね張り(上張り)

重ね張り(上張り)施工は、既存の床上からヒーターが内蔵されたパネル式の暖房を設置する工事です。重ね貼りの場合、既存の床を撤去しなくて済むので、張り替えと比べると工期が短かったり、初期費用が少しだけリーズナブルになったりするメリットがあります。

その一方で、暖房を設置した部分だけ床が高くなり、段差ができてしまうため、転倒リスクが上がります。また、床の下地材の状態が確認できないので、劣化が進んでいたとしても補修できません。こうしたデメリットがあることも理解し、気になる点があればリフォーム業者に相談すると安心です。

張り替え

張り替え施工は、既存の床材を剥がし、床下に暖房を設置する工事です。重ね張り施工のように段差ができないので、バリアフリーには最適で、お子様やお年寄りに優しいのが特徴です。

ただし、既存の床材をすべて剥がすため、部屋が大きければ大きいほど、費用が高くなります。そのため、ご自身の家族構成や費用を考慮した上でリフォーム方法を選択するのをおすすめします。

リノベーション時の費用相場(12畳)

では、12畳の部屋に床暖房を後付けする場合を例に費用相場を紹介します。「電気式・重ね張り」「電気式・張り替え」「温水式・重ね張り」「温水式・張り替え」の4つに分けて見ていきましょう。

床暖房の種類 施工方法 費用相場(12畳を想定)
※フローリング・下地産廃を除く
電気式 重ね張り 60万円前後
(1畳あたり5万円を想定)
張り替え 96万円前後
(1畳あたり8万円を想定)
温水式 重ね張り 85万円前後
(1畳あたり5万円+給湯器25万円を想定)
張り替え 121万円前後
(1畳あたり8万円+給湯器25万円を想定)

電気式・重ね張り

電気式の床暖房は給湯器の設置が不要なため、実質床材や施工費のみが費用に反映されます。

既存の床に直貼りする場合、1畳あたりの費用目安は5万円~8万円程度です。仮に1畳5万円で12畳の部屋を電気式・重ね張りで施工した場合、60万円程度が費用相場になります。

電気式・張り替え

床を全面張り替えする場合、1畳あたりの費用目安は8万円~11万円程度です。

仮に1畳8万円で12畳の部屋を電気式・張り替えで施工した場合、96万円程度が費用相場になります。

温水式・重ね張り

電気式の床暖房は給湯器の設置が必要なので、床材、施工費以外に給湯器の設置費用がプラスされます。給湯器の費用は25万円から100万円と導入する給湯器の機能などによって大きく価格が異なります。

床のリノベーション費用は電気式の暖房の重ね貼りと同様、1畳あたりの費用目安は5万円~8万円程度です。仮に1畳5万円で12畳の部屋を温水式・重ね張りし、25万円の給湯器を設置した場合は、85万円程度が相場です。

温水式・張り替え

床を全面張り替えする場合の1畳あたりの費用目安は、8万円~11万円程度です。仮に1畳8万円で12畳の部屋を電気式・張り替えで施工した場合、96万円程度になります。

ここに25万円の給湯器をプラスすると、121万円程度が温水式・張り替えの費用目安です。

【要望別】おすすめの床暖房のリノベーション方法

床暖房を後から付けたい方必見!リノベーション方法と費用相場をご紹介

これまでそれぞれの床暖房についてのメリットや費用目安を紹介してきました。

「結局どれがおすすめなの?」と思われている人もいるかもしれません。それぞれの床暖房とリノベーション方法にメリット・デメリットがあるため、求める条件によっておすすめは異なります。

最後に要望別に分けておすすめの床暖房のリノベーション方法について紹介します。

早く安く済ませたいなら電気式・重ね張り

できるだけ時間をかけずに早く床暖房を取り付けたいのであれば、設置方法がシンプルな電気式・重ね張りがおすすめです。温水式と違って給湯器も設置しないため、初期費用も抑えられます。

ランニングコストやバリアフリーを考えるなら温水式・張り替え

現時点で金銭的に余裕があり、ランニングコストやバリアフリーを考慮するのであれば、温水式・張り替えがおすすめです。温水式・張り替えの施工は、4つの施工の中で初期費用や工期は一番かかりますが、床を凸凹なく均一にするため、小さな子どもからお年寄りにまで優しい設計です。

電気式に比べ温水式は立ち上がりが早く、ランニングコストも抑えられます。床暖房の設置を長い目で見るのであれば、温水式・張り替えがふさわしいでしょう。

まとめ

床暖房とひと口に言っても、電気式や温水式、リノベーション方法も種類があることがわかりました。床暖房は後付けできますが、自分たちの暮らし、資金、優先事項にあったものを選ぶことが大切です。

セナリノベは、床暖房の設置実績も豊富です。さらに、中古マンション・中古住宅に「リノベーション」をプラスしてご提案しています。

新築よりもリーズナブルなのに、注文住宅のような自由設計と美しさを叶える「新たな住まいづくり」を行いますので、興味を持ってくださった方は、ぜひご相談ください。