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中古マンションの耐震性は?築年数以外の見極めや住宅控除を受ける3つのポイント

No.20

中古住宅のコト

中古マンションの耐震性は?築年数以外の見極めや住宅控除を受ける3つのポイント

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中古マンションの購入を検討中に、物件としては気に入ったマンションが見つかったところで、価格や間取り、住環など、いくつか気になることが出てくることがあります。

災害に対する安全性が確立されている建物かどうかを、選ぶ上でチェックしておくべき重要なポイントです。

本記事では、大きな地震に対する耐震設計基準をクリアしているかを確認するために知っておくべきことを解説します。

耐震性を知るための基礎知識

中古マンションの耐震性は?築年数以外の見極めや住宅控除を受ける3つのポイント

建物は地震が起きたときの大きな揺れに対して、耐えれる設計で建築されているかを判断する基準法があります。

これを遵守していることで安心して住めるマンションと判断できますが、築年数が古い建物の場合、適合していないケースもあります。何年に設計されて建築されたものか、耐震基準が適用されているマンションかチェックしましょう

耐震性とは

日本は災害大国と言われていますが、中でも地震が多いので地震大国とも呼ばれているほどです。

毎日どこかで軽微な地震が起きているといっても過言ではなく、大きな地震に襲われると建物の倒壊につながる大きな被害が出ます。

地震の揺れ具合は震度という数値化された基準値が定められていますが、大きくなるほどマンションも被害が甚大になりやすい地震に対してどれぐらい耐えられるかを表すのが耐震性です。

購入検討中の中古マンションがどれぐらいの耐震性を持っているかを、あらかじめ調べておくことで物件の倒壊や損壊リスクに備えることができます。

旧耐震基準、新耐震基準の違い

最近のマンションは新耐震基準に基づいて設計・建築されています。旧耐震基準のマンションは、建築確認が1981年6月以前のものです。

1981年6月に建築基準法が改正されたため、それ以降に建築確認が行われたマンションは、新耐震基準に基づいた建物になっています。

旧耐震基準では震度6強以上の地震に対しては特に言及されていなかったことに対して、新耐震基準は、震度5強レベルの地震に対しても大きな被害や損傷がないという基準をクリアしなければならないことが定められました。

現在の新耐震基準においては、旧耐震基準で定められていた「震度5程度の地震では倒壊・崩壊しない」といった基準を「一次設計」、新耐震基準で定められた「震度6~7程度の地震でも倒壊・崩壊しない」といった基準を「二次設計」としています。

新旧どちらかを調べるには、建築確認済証を見れば分かります。建築確認済証は建築確認通知書という名称で表されることもあるので覚えておいてください。

通常は購入者が好きな形で閲覧できるものではなく、売主が保管している書類です。

耐震性を確認するために耐震基準が旧法か新法かを知りたい場合には、これらを見せてもらうようにしましょう。

制震とは

建物が地震に耐える設計かどうかは、耐震という基準以外に、制震、免震という分類があります。地震の大きな被害からできるだけ建物の被害を少なくする設計方法が制震です。

制震工法では、建物内部に制震部材を組み込んで建築しています。部材には錘(おもり)などを使って建築することにより、地震が起きても揺れが吸収される仕組みです。

ビルやマンションでは、高層階になるほど大きな揺れの影響を受けるため、この工法を組み込むことで地震から建物を守る効果が期待できます。

免震とは

建物と地面の間には、基礎、土台と呼ばれる設置部分があります。

免震工法とは、建物と基礎部分の間に免震装置を設置して建築しているものをいいます。地盤と建物が切り離されているため、地震対策に有効です。

地震が起きても地中や地表を伝わってくる大きな揺れがマンションや戸建てを直撃する力を和らげます。

中古マンションの耐震性

中古マンションの耐震性は?築年数以外の見極めや住宅控除を受ける3つのポイント

中古マンションは耐震基準法や設計方法、建築方法により、耐震性は変わります。新築とどう違うか、古いほど危険性が高いかを知っておきましょう。

中古・新築マンションの耐震性の違い

1981年6月の建築基準法改正で新耐震基準に変わったと前述しました。しかし、新築マンションなら耐震性が十分保障されているどうかは実際にはわかりません。耐震基準だけでは耐震性は判断できない点もあるからです。

日当たりや風通しを優先した設計で、ベランダや窓などが多く、建物全体を支える外壁に該当する部分が少ないマンションは、新築であっても耐震性が弱いケースも考えられます。

中古であっても免震工法や制震工法を取り入れているマンションは、耐震性が強い場合もあるでしょう。

2000年の耐震基準改正はマンションと無関係

建築基準法の改正は2000年にも行われています。

「これを基準としてマンションを探せばいい」と思うかもしれませんが、残念ながら2000年の改正はマンションの建築には関係ありません。この年の耐震基準改正は、木造住宅に適用されています。

そのため、マンションの耐震基準の基準を判断するには、1981年6月時点の状況を確認しましょう。

旧法か新法を採用しているのか見極めるには、その年の前後をチェックしましょう。

築年数40年までの中古マンションも新耐震?

築40年を超過している中古マンションは旧耐震と考えるべきですが、40年に満たないマンションもそれ以前に建築確認が行われていれば、旧耐震の可能性があります。

40年前、耐震基準が変わる前後のマンションは、どちらに該当するか調べてから購入しましょう。

ただし、旧耐震だからといってすべてのマンションの耐震性が低いわけではありません。旧耐震の物件でも新耐震基準を満たす耐震性能を有しているマンションもあるからです。該当物件の耐震にかかわる部分がどのような強度であるか確認すれば、築40年以上でも問題ないといえるでしょう。

中古マンションの耐震性を見極めるポイント

中古マンションの耐震性は?築年数以外の見極めや住宅控除を受ける3つのポイント

中古マンションの価格や間取り、環境が気に入っても、地震で倒壊や大損壊という被害を受けてはどうしようもありません。

住宅ローンの支払いや、補修費用、場合によってはローンを支払い続けながら転居しなければならない可能性もあります。

耐震性はしっかり見極めましょう。

マンションの管理状態を確認

まずは、マンションがどのように管理されているかを確認しましょう。

管理会社がどうメンテナンスしているか、非常口や非常階段、エレベーターの保守はしっかりしているかは見落とせない確認事項です。

耐震補強工事の内容をチェック

中古マンションは全体が老朽化してくることで、柱や壁も揺れに対して弱くなってきます。そのため、本来は耐震性があったマンションも想定していた震度に耐えられず被害が出る場合があります。

耐震設計だからといって、放置したままのマンションかどうかチェックしましょう。

定期的に耐震補強工事が行われている、傷んだ箇所は修復されているかどうか、また以前に地震被害を受けた地域であれば、ひび割れなどを直しやあらためて耐震補強工事をしているかどうかの確認が必要です。

修繕計画の内容を確認

分譲マンションを購入すると、管理費や修繕積立金を毎月支払うことが一般的です。管理費や修繕積立金がどのような計画で使われいるのかを購入前に確認しましょう。

外壁の塗装など外観の美観的な修繕だけに修繕費を使うマンションも少なくありません。

修繕計画が住人の安全を目的としたもので、地震が起きた時に倒壊しないための補強や劣化部分の修繕であるかを確認しましょう。

ハザードマップも参考にする

マンションがある場所のハザードマップが自治体で公開されているため、よく調べておきましょう。

地震が起きたときに揺れだけではなく、津波や土砂災害、高潮や液状化、川の堤防決壊など、さまざまな被害に見舞われることがあります。

マンション周辺に起きると想定される、地震にともなう危険性を事前にチェックしておくことが大切です。

特に地盤が弱かったり、埋め立て地で液状化が起きやすかったりすると、マンションが耐震基準を満たしていても、基礎から倒壊する可能性があります。地震で引き起こされる土砂災害に襲われる場合も同様です。

中古マンションで住宅控除を受けるポイント

中古マンションの耐震性は?築年数以外の見極めや住宅控除を受ける3つのポイント

住宅ローンを組んでマンションを買うと、住宅控除を受けることができますが、古くて耐震基準を満たさない場合には、これが受けられないことがあります。

受けられるかどうか、受ける手続きはどうすればいいかを解説します。

耐震基準適合証明書もしくは保険付保証書を提出

控除を受けるには、国が定めている耐震基準を満たしていることがまず条件です。控除をうけるため、耐震基準適合証明書もしくは保険付保証書を提出しましょう。

耐震基準適合証明書は、住宅診断(ホームインスペクション)耐震診断講習修了者に耐震診断を受け、耐震調査のデータを入力してもらった結果である耐震基準適合証明書を発行してもらいます。

すでに管理組合で耐震診断を実施し補強などがおこなわれているマンションであれば証明書の入手は可能です。ただし、マンションの耐震診断を実施するには管理組合総会の普通決議で決定しなければいけません。そのため、耐震診断がおこなわれていないマンションですと耐震基準適合証明書の提出は難しくなるため、保険付保証書の提出をおすすめします。

保険付保証書は、瑕疵保険に加入した際に送付される保証書です。
瑕疵保険に加入するには、対象物件の建物状況を検査して一定の基準を満たさなければいけません。そのため、瑕疵保険に加入できる=住宅ローン控除が受けられます。

これら書類が、耐震基準を満たしている物件という証明になりローン控除に必要な書類のひとつとなります。

中古マンションの耐震診断の費用

中古マンションの耐震診断にかかる費用は、証明書発行には約50,000円〜を相場としてみておくといいでしょう。

業者により発行費用以外の手数料部分が違ってきます。不動産会社と提携しているしっかりした業者に依頼すると良いでしょう。

住宅控除を受けられる中古マンションの築年数

中古マンションで住宅控除を受けられることは、原則築25年までです。ただし、耐震基準で合格していれば築25年より古くても控除可能な場合があります。

まずは、住宅診断・耐震診断を依頼しましょう。

まとめ

地震が頻発する日本では、中古マンションを買う場合に、いつ自宅が大きな地震に襲われて被害を受けるか想像がつかないのが現実です。

耐震基準法に適合したマンションか、耐震設計で建築されているかを確認して地震に対して危険性が少ない地域を調べておきましょう。

住宅ローン控除にも、耐震基準は大きくかかわります。

地震から建物も出費も大切に保護するため、事前にしっかり調べてマンション購入手続きを進めていきましょう。