RENOVATION
JOURNAL
リノベの情報マガジン
2021.11.18 木
No.18
リノベーションのコト
マンションリノベーションで間取りを変更!金額や注意点も解説
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マンションのリノベーションを考えていて、人気の間取りが知りたいものの、高額なお金がかかりそうと悩んでいる人も多いと思います。
今回は、マンションリノベーションで必要な情報を解説します。参考になる間取りやリノベーションの時に注意すべきことについて解説しているので、間取りづくりに活用してください。
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マンションのリノベーションも間取り変更は可能
建物全体を支えるコンクリート壁の場合、とくに、耐震壁が入っている壁の撤去、解体、移動が不可能なため間取りを変更するのは基本的にできません。木造建築の場合も規約上出来ない事があります。
ただ構造部分以外であれば、間取りなどは変更が可能です。マンションをリノベーションする際は、地震や家族が住む場合は生活のしやすい間取り、売りに出す場合はターゲットに合った間取りを考えてリノベーションを行いましょう。
リノベーションで叶う間取り変更一例
リノベーションによって実現することのできる間取りの変更例は主に以下が挙げられます。
- 3LDKから2LDKへ
- ワンルームから1LDKへ
- 2戸を一つにつなげる
それぞれについて見ていきます。
3LDKから2LDKへ
まずは3LDKから2LDKに間取りを変更する例です。家全体の広さはそのままに、3部屋だったものが2部屋へと変更されることで、各部屋のスペースが広くなります。
スペースを広くする部屋としては、家族の共用スペースであるリビングを真っ先に考える方が多いと思います。リビングを広くしたい場合は、リビングと繋がっている部屋をなくし、その空間を全てリビングにするのも一つの方法です。またリビングに広い空間ができるため、こだわりのキッチンを作ることもできます。
ワンルームから1LDKへ
3LDKから2LDKに変更する場合とは反対に、広いワンルームの場合は1LDKに間取りを変更することも可能です。部屋数を増やすことで寝室やリビングなど用途によって部屋を分けることができ、生活にメリハリがつくというメリットもあります。
また、部屋数を増やすことで、2人以上で住むことになった場合でも住みやすくなるでしょう。
2戸を一つにつなげる
2世帯住宅で家を分けていたものの、ライフステージの変化によって1戸にしたくなるケースも考えられます。
広い土地に2戸の家が並んで建っている場合は、2戸を一つにつなげて1戸にすることも可能です。これまで2戸の間に作られていた若干のスペースも家の一部となるため、より広く感じられるでしょう。
リノベーションの相場
リノベーションを行うにあたり、いくら掛かるのか、相場を知ることは重要です。
ここでは、部分ごとの概算や相場など、金額に関する項目をご紹介します。
概算
まずは部分ごとの概算です。正確な費用は物件により異なるため、以下を大体の目安と考えて参考にしてみてください。
(概算) 15万円/1㎡
キッチン:60~90万円
バスルーム:80~100万円
洗面所:20~30万円
トイレ:20~30万円
30㎡→500万円
70㎡→1,000万円
設備などそのまま使用する場合は費用がかなり抑えられるため、上記の目安以下に収まるのがほとんどです。費用の幅が大きいので注意しましょう。
もちろん素材のグレードや業者、デザインによって異なってきます。
費用項目
リノベーションの費用項目は主に以下です。
- 設計費
- 工事費
- 建材・設備費
- その他
設計費はリノベーションの費用全体の10〜15%が相場になっており、各会社によってさまざまです。
工事費は壁の撤去や給排水管の設置などがあります。建材・設備費は建材やキッチンやトイレなどのことをいいます。
その他には、確認申請費用や管理費、消費税などが挙げられます。
リノベーションで間取り変更する際の8つの注意点
リノベーションで間取りを変更する際は、以下の8つの点に注意しましょう。
- 水回り
- 好みの間取り
- 管理規約に反するか
- 間取りをパズルだと思わないこと
- 廊下をなくす時
- リノベーションできる部分を確認
- マンションによる制限を確認
- 追加費用に注意
それぞれについて解説します。
水回り
水回りは毎日使用するので劣化が早く進みます。気付かないうちに劣化が進み、事故につながるリスクも高いため、十分注意を払ってください。
キッチンや洗面台を移動させるのは、配管の関係でできる場合とできない場合があります。コンクリートの天井板や床板に直接壁紙やフローリングが貼られているのを、「直床・直天井」といいますが、この場合だとキッチンや洗面台の移動が難しい場合があります。なぜなら、配管を移動させるスペースがないからです。
反対に天井板や床板と天井と床下との間にスぺースが設けられた「二重床・二重天井」であれば、空間がある分配管の移動がしやすいため、キッチンや洗面台の移動ができることが多いです。
好みの間取り
間取りは、好みのものにできる場合とできない場合があります。その主な原因は壁の構造にあります。
壁の構造には2種類あって、壁式構造とラーメン構造があります。好みの間取りにするなら、ラーメン構造であることがおすすめです。
まず、壁式構造では、壁が取れません。なぜなら、壁式構造は建物を壁で支えているため、間取り図にある壁の多くは撤去できないからです。
図面だけではわからないため、実際に壁を叩いてみて、コンクリートが入っているような硬い音がした場合は撤去できない壁である可能性が非常に高いです。また、壁式構造は5階以下のマンションで採用されていることが多いです。
次に、ラーメン構造の場合は、自由度が高い間取りを構築できます。デメリットは、柱が見えるところに出てくることです。
ラーメンとはドイツ語のRahmenからできています。ラーメン構造とは、柱で建物を支え、間取り図の四隅に、柱の出っ張りがある構造をします。間取りを変えるなら、こちらのラーメン構造がおすすめです。
管理規約に反するか
建築構造上コンクリートで壁面を施工している場合、管理規約上リノベーション出来ない事が多いです。また木造建築であっても規約上できない場合があります。必ず管理規約を確認した上でリノベーションをしてください。
マンションの管理組合では、リノベーションについてのルールが設けられています。たとえば、組合ごとに水回りの変更の禁止などがされている場合もあります。
マンション購入前に管理規約を入手して、管理組合のルールを確認しておきましょう。
また、リノベーション前には必ず、管理組合へ事前申請をします。申請には図面などを提出するため、忘れないようにしましょう。
間取りをパズルだと思ってはいけない
「この部屋に壁を作れば一つ部屋が作れる」などの安易な発想はやめましょう。どこにドアをつけるのか、キッチンまではどうやっていくのか、トイレも然りです。
間取りを変更する際は後々のことを考え計画しましょう。なぜなら、リノベーションは、間取りをどうするかというだけではなく、見えない部分の配管の計画や断熱の補強の性能具合などを見ていく必要もあるからです。
廊下をなくす時のポイント
マンションにおいて廊下は、冬に寒いということもあります。廊下につながる個室や脱衣所も寒いと健康状態によくありません。廊下や各部屋が寒くなってしまう原因は、玄関に直接繋がっているからです。
玄関ドアを触ればわかりますが、冷蔵庫の中みたいにヒンヤリと冷たいはずです。この冷気が伝わって廊下や各部屋が寒くなります。
そのため、廊下をなくす際のポイントは玄関を区画する形、ドアを設置するような形がよいです。
廊下をなくすことは導線を一つ減らすことになります。減らしたらどこが導線の役目をするか考慮してから廊下をなくしましょう。
リノベーションできる部分を確認する
マンションでは、リノベーションができる空間は、専用部分だけです。共有部分のリノベーションはできません。たとえば、窓やバルコニーなどが挙げられます。
どこまでリノベーションができるのか、オーナーか販売元もしくは仲介業者に必ず確認を取ってから施工するようにしましょう。勝手にリノベーションすると場合によっては損害賠償責任を問われることになるかもしれません。
マンションによる制限
中古マンションを購入すれば、リノベーションできるわけではありません。マンションによってはリノベーション不可の物件もあるからです。他にも一部のみリノベーション可としている物件もあります。たとえば、水回り周辺のみ可能だったりと物件により制限の範囲は異なります。
また高層、中層、低層によっても制限が異なる場合があるので注意してください。
追加費用に注意する
見積書を取る時点で、何か追加事項が出そうか確認をとってから見積書を作成してもらいましょう。
図面と一部違っていたり、実際に工事すると判明することが多々あります。たとえば、配管切り回しの追加が必要になった、電気配線の再施工、内壁の修理が必要など目に見えない箇所で追加になるケースが多いです。リノベーションの設計の際は、どうしても目に入る箇所が気になってしまいます。しかし実際にリノベーションとなると外見だけではなく目が届かない箇所も施工します。そのあたりを十分考慮して計画してください。
また、追加工事が必要になったら、いくらになるのか施工する業者へ事前に確認を取っておきましょう。
人気なリノベーションの例
マンションのリノベーションの例としては、以下のようなリノベーションが人気です。
- 子供の成長を見据えた設計
- 日当たりと風通しを意識
- 非日常感を味わえる
- お客様を招ける空間
リノベーションを行う際の参考にしてみてください。
まとめ
中古マンションも間取り変更を伴うリノベーションを行うことで、理想の住空間に作り変えることができます。
しかし、間取りを変更するリノベーションには建物の構造など、注意すべきことがいくつかあります。
個人では判断できない専門的な知識が必要になるケースもあるのを十分に理解しましょう。
判断に迷う場合、リノベーションの専門家に相談すれば解決できます。セナリノベでも、ご相談を承っておりますので、ぜひごお問い合わせください。
間取り変更が伴うリノベーションの際は、記事で紹介した注意点や要望と予算のバランスなどを考慮しながら、理想の家づくりを検討してみてはいかがでしょうか。