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マンション管理費の相場は?安く抑えるコツもご紹介

No.16

中古住宅のコト

マンション管理費の相場は?安く抑えるコツもご紹介

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マンションの購入では、毎月発生する管理費を確認しておくことも大切です。

今回は、マンション管理費の相場や修繕積立金との違い、管理費を滞納した場合どうなるのか、などについて詳しく解説していきます。

マンション管理費とは

マンション管理費の相場は?安く抑えるコツもご紹介

マンション管理費とは、共用部分の維持や管理のために必要なお金です。管理費の主な用途には、以下のようなものがあります。

  • 公租公課
  • 共用設備の保守維持費
  • 共用部分等に係る各種保険料
  • 経常的な補修費
  • 管理組合の運営費
  • 管理人の人件費

マンションを購入すれば、管理費を毎月支払わなければいけません。住宅ローンに管理費は含まれていないので注意が必要です。

マンション管理費の相場

マンション管理費の相場は?安く抑えるコツもご紹介

マンション管理費の相場は、戸数や形態、地域などによって異なります。それぞれの相場を詳しく見ていきましょう。

平均額一覧

まずは、総戸数規模別の管理費平均相場です。

総戸数規模 管理費平均相場
20戸以下 19,237円
21~30戸 16,997円
31~50戸 15,049円
51~70戸 15,346円
76~100戸 16,455円
101~150戸 15,089円
151~200戸 15,951円
201~300戸 16,365円
301~500戸 17,703円
501戸以上 15,244円

マンション形態別の管理費平均相場は下記となります。

マンションの形態 管理費平均相場
単棟型 16,213円
3階建以下 14,965円
4~5階建 16,892円
6~10階建 15,307円
11~19階建 16,155円
20階以上 25,069円
団地型 14,660円
2~3棟 15,128円
4~5棟 15,937円
6~10棟 12,582円
11~20棟 12,335円
20~50棟 8,845円
51棟以上 31,438円

地域別の管理費平均相場は、下記のとおりです。

地域 管理費平均相場
北海道 15,190円
東北 16,550円
関東 16,096円
北陸・中部 16,947円
近畿 16,240円
中国・四国 14,590円
九州・沖縄 15,057円

都市圏別の管理費平均相場は下記となります。

都市圏 管理費平均相場
東京圏 16,442円
名古屋圏 16,893円
京阪神圏 16,848円

出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」管理費総収入/月/戸当たり(使用料・専用使用料からの充当額を含む)

戸数別

一般的に管理費の総額を総戸数で割るため、小規模なマンションよりも、大規模マンションの方が管理費は低くなる傾向です。

管理費平均相場では301戸~500戸だけが17,000円を超えていますが、戸数の多いマンションはタワーマンションや機械式駐車場を導入しているケースが多く、設備の維持費がかかるためと考えられます。

形態別

単棟型は、20階建て以上のタワーマンションタイプになると管理費が高くなっています。

一方、団地型は管理する建物が多いほど管理費平均が下がる傾向です。尚、51棟以上はアンケートの回答数が少ないために、管理費の平均相場が高くなっています。

地域別

地域別の管理費平均相場は、中国・四国を除いて、全体的に同じような相場となっています。

地価の高い東京が含まれる関東は管理費も高額になるイメージですが、調査結果では東北や北陸・中部よりも管理費平均相場が低くなっています。いずれにしても、管理費の地域差はあまり気にしなくていいでしょう。

都市圏別

都市圏別にマンション管理費の平均相場を見ても、東京圏の方が名古屋や京阪神圏と比べて平均相場は低くなっています。

東京圏はワンルームタイプや小規模なマンションが比較的多いため、他の都市圏よりも全体的なマンション管理費の相場が下がっていると考えられます。

マンションの修繕積立金とは

マンション管理費の相場は?安く抑えるコツもご紹介

マンションの修繕積立金とは、数年に1度実施されるマンションの大規模修繕に使うお金です。

日常的な管理や補修ではなく、エントランスや外壁といった共用部分の経年劣化に対して修繕を行うので、長期的な修繕計画を立てたうえで修繕費を積み立てるのが一般的です。

修繕積立金の相場

修繕積立金の全体的な相場は月額11,243円です。ただし、築年数によっても修繕積立金の平均は大きく異なります。

完成年次 1戸あたりの月額修繕積立金
昭和44年以前 26,356円
~昭和49年 9,903円
~昭和54年 12,052円
~昭和59年 11,077円
~平成元年 11,400円
~平成6年 11,413円
~平成11年 12,024円
~平成16年 11,227円
~平成21年 11,865円
~平成26年 9,244円
平成27年以降 6,654円

出典:国土交通省「平成30年度マンション総合調査結果」現在の修繕積立金の額/月/戸当たり(使用料・専用使用料からの充当額を除く)(その1)

マンション管理費を滞納した場合

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マンションの管理費を滞納すると、管理組合から電話や書面で督促が行われます。それでも滞納が続けた場合、内容証明などによって支払いが請求されます。

内容証明も無視して滞納を続けると、口座の差し押さえや競売が強行されて滞納分を回収されることがあります。

判例

滞納していたマンション管理費の支払いを命じる判決が確定したにもかかわらず、再び滞納を続けて滞納額が680万円に達したケースもあります。

この事例は悪質な滞納で、強制執行の申立をしても回収できる見込みがないと判断されたため、裁判所が競売請求を認めています(東京地判平成19年11月14日(判タ1109号253頁))。

注意点

マンションが競売にかけられてしまう滞納期間は、特に決められていません。基本的には1ヶ月から数ヶ月の滞納で競売にかけられることはないため、マンションの管理費を滞納してしまった場合は、できるだけ早く支払うようにしましょう。

競売はあくまでも最終手段とされるため、内容証明などによる督促を飛ばして競売にかけられることはありません。

マンション管理費は値上げされることがある

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マンション管理費や修繕積立金は値上げされることもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

マンション管理費の値上げ

マンション管理費は徐々に高くなると考えておいてください。当初と管理費の額が変わらないケースもありますが、値上げが行われたケースも3~4割ほどはあります。

とくに築年数が経過したマンションは補修する箇所が増えるため、マンション管理費もそれに伴って値上げされる例が多くなります。

修繕積立金の値上げ

修繕積立金も、マンション管理費と同様に徐々に高くなると考えておいた方がいいでしょう。築年数が経過すると修繕する箇所が増えるため、それに伴って値上げされるのが一般的です。

ただし、マンション管理費よりも修繕積立金の方が値上げ幅は大きくなる傾向にあります。

マンション生活を快適に過ごすコツ

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最後に、マンション生活を快適に過ごすコツを3つご紹介します。

安ければいいわけではない

マンションは、物件価格が安ければいいわけではありません。長く快適に住むためには、管理費や修繕積立品の月額を事前に確認しておく必要があるでしょう。

共用スペースの劣化状況がひどいにも関わらず、管理費や修繕積立金が安い物件は、将来的に大幅な値上げが行われる可能性があります。

必要十分なサービスかよく見ること

管理費が高くても不要なサービスがある場合は、購入を見送った方がいいでしょう。プールや会議室、来客用の宿泊設備などが整っているマンションは管理費が高額になりがちです。

管理費よりもサービス重視で選びたいという方は、コンシェルジュサービスなどを導入している物件の購入を検討してみてもいいでしょう。

いずれにしても、必要なサービスは人によって異なるため、自分にとって必要十分なサービスかどうかをしっかりとチェックしてから物件の購入を判断するようにください。

管理費を安くするコツ

マンション管理費を安くしたい場合は、下記のようなポイントに注意して物件を選びましょう。

  • 駐車場:駐車場が無料の物件は、管理費に上乗せされていることがあります。
  • 戸数:総戸数と管理費の額には相関関係があります。
  • 水を使った設備:プールやジムなどの設備があると維持管理費が高くなります。

まとめ

マンションの管理費は毎月発生するために、物件購入時に必ず確認しておきましょう。設備や戸数などによっても管理費の月額は変わるため、物件の選び方次第では、管理費の額を下げることもできます。