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リノベの情報マガジン
2021.10.26 火
No.12
中古住宅のコト
マンション住み替えの際に注意するポイント!費用相場も解説
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マンションを住み替えるには、大きな資金や時間を必要とするため、心配なことも多くあるでしょう。大きなお金が動くマンションの住み替えでは簡単に失敗ができないため、住み替える際は慎重に決めていくことが大切です。
そこで本記事では、マンションの住み替えで悩んでいる方に向けて、マンションを住み替える流れやマンションの売却・購入にかかる費用と相場、マンションを住み替えるメリットを解説していきます。マンションを住み替えるにあたっての知識を身に付けて、より安定した計画を立てられるようにしましょう。
目次 [閉じる]
マンションを住み替える流れ
マンションを住み替えるには、現住居の売却と新居の購入の2つの手順が必要です。
売却・購入の両方を同時に行えるのが理想ですが、実際はタイミングを合わせることが難しいため、売り先行・買い先行となる場合が多いです。それぞれについて解説します。
売り先行
売り先行とは、新居を探す前に、先に現在住んでいるマンションを売却することをいいます。
先に売却することで、その売却金額をもとに資金計画が立てられるため、安心して手続きを進めることができます。
買い先行
買い先行とは、先に新居を購入してから、今住んでいるマンションを売却することをいいます。
住宅ローンを完済していない場合、二重ローンになってしまいますが、仮住まいの必要がなくなるので、引っ越しの負担が少なく済みます。
マンション住み替えにかかる費用と相場
ここからは、マンションを住み替えるにあたっての費用と相場を、売却時と購入時に分けて解説していきます。
売却時
マンションの売却時に必要な費用は、マンション売却額の5~7%が相場です。必要な費用の内訳については次のとおりです。
- 登記費用
- ローン完済費用
- 仲介手数料
- 収入印紙税
- その他の税金
- その他の費用
これらの6つの詳細を順番に解説していきます。
登記費用
マンションを売却する際、抵当権を抹消しなければならないため、登記費用が必要です。
司法書士に依頼する場合、2~3万円前後が相場であると覚えておきましょう。
ローン完済費用
住宅ローンが返済途中である場合、ローンを完済させるための費用が必要です。
売り先行であれば、売却代金を住宅ローンの返済に充てられるため、新居の資金計画が立てやすくなります。
仲介手数料
不動産仲介会社にマンションの販売活動を仲介してもらった場合、報酬として仲介手数料を支払います。
金額は宅地建物取引業法によって定められており、「売却額の3%+6万円+消費税」というのが上限です。
収入印紙税
印紙税とは、売主・買主で取引をする際に作る不動産売買契約書に課税される税金のことをいい、契約書に収入印紙を貼ることで納税が完了になります。
収入印紙代は、マンションの契約金額によって異なるため、不動産仲介業者に事前に確認しておきましょう。
その他の税金
収入印紙税以外にも、譲渡所得税を支払う必要があり、金額は「譲渡所得×税率」という方法で算出されます。
税率はマンションの所有年数によって異なり、5年以上所有していた場合は20.315%(長期譲渡所得)、5年以下の場合は39.63%(短期譲渡所得)となります。
2013年から2037年の間は、東日本大震災の財源確保のために、復興特別所得税として基準所得税額(譲渡所得税額)の2.1%が加算されます。
その他の費用
マンションの売却に必須ではありませんが、ハウスクリーニングやリフォームをする場合は、別途費用がかかります。
特に、壁や天井、水回りなどが汚れていると、マンションの売却額に影響してくるので、クリーニング費用と売却額を比較したうえで検討しましょう。
購入時
マンションの購入時に必要な費用は、マンション購入額の5~8%が相場です。購入の際に必要な費用の内訳は次のとおりです。
- 住宅ローンの費用
- 仲介手数料
- 収入印紙税
- 保険料
- その他の税金
- その他の費用
これらの6つの詳細を順番に解説していきます。
住宅ローンの費用
マンションを購入する際、住宅ローンの費用がかかります。
マンションの購入額や頭金によって住宅ローンの費用は異なるので、金融機関を通して細かく確認しておきましょう。頭金をどれぐらい用意するかによって、ローンを組む際の手数料や保証料なども変わってきます。
仲介手数料
中古のマンションを購入する場合は、不動産仲介業者に仲介の報酬として仲介手数料を支払います。
基本的にはマンションの売却時の金額と同じで、「購入額の3%+6万円+消費税」というのが上限となっています。
収入印紙税
マンションを売却する際と同様、購入時にも印紙税を支払います。
収入印紙代は物件価格などによって異なるため、不動産仲介業者に確認しましょう。
保険料
マンション購入時に加入する保険は、
- 火災保険
- 地震保険
- 家財保険
の3つがあります。
特に、火災保険は火災だけではなく、水漏れや風災、賠償責任保険などの損失が補償されるので、加入することで多くのメリットが得られます。
その他の税金
マンション購入時には、不動産所得税と固定資産税の2つの税金を支払います。
不動産所得税の場合は、購入時の1回のみ「課税標準×4%」(2021年3月31日までに不動産を取得するのであれば税率3%の軽減措置)を支払いますが、固定資産税の場合は、毎年「課税標準×1.4%」を支払うという違いがあります。
その他の費用
物件の所有者を変更する際に、登記費用が必要です。登記費用は「固定資産評価額×0.15%」という計算で算出されます。
また、登記費用以外にも、引っ越し費用や仮住まいを借りる場合は住居費などが必要になるので、新居に引っ越すまでの期間で費用は大きく異なります。
マンションを住み替えるメリット
マンションを住み替えるメリットは、大きく分けて3つあります。
- 住宅の資産価値を上げられる
- ライフステージの変化に合わせた物件を選べる
- 経験を踏まえてより良い物件を購入できる
これらの3つのメリットを生かすことで、マンションを住み替えた後の暮らしがより豊かになるでしょう。
住宅の資産価値を上げられる
マンションの相場がより高い時期に売却することで、住宅の資産価値を上げることができます。
不動産業界の影響によって相場は変化するため、売却する際は相場価格をチェックしましょう。
ライフステージの変化に合わせた物件を選べる
マンションを住み替えることで、ライフステージの変化に合わせた物件を選ぶことができます。
子供がいるご家庭の場合、成長するにつれて部屋の広さや数に不便を感じることも出てくるので、状況に合わせて物件を選びましょう。
経験を踏まえてより良い物件を購入できる
現住居に不満がある場合、マンションを住み替えることでより自分に合った物件を購入することができます。
セキュリティ面や交通面など、多くの要素が重なって物件の良し悪しが決まってくるので、ライフスタイルに合わせた物件を購入しましょう。
マンションを住み替える際の注意点
マンションを住み替える際の注意点を、売り先行と買い先行に分けて解説していきます。
売り先行の注意点
売り先行の場合、新居に入居できるまで仮住まいが必要となるため、その分賃料や引っ越し費用がかかります。
また、現住居→仮住まい→新居と、2回も引っ越しをしなければならないため、荷造りにもかなり労力がかかります。
売り先行の場合は、費用と労力の両方が必要だということに注意しましょう。
買い先行の注意点
買い先行の場合は、現住居の売却金額が確定していないため、より慎重に資金計画を立てる必要があります。
もし現住居の住宅ローンが完済していなかった場合、新しいローンを組むと二重ローンになってしまいます。
マンションを買い先行で住み替えるのであれば、不動産仲介会社を通して、余裕を持った状態で資金計画を立てましょう。
まとめ
この記事では、マンションを住み替えるにあたっての流れや費用、メリットなどを解説してきました。住み替える際は売り先行・買い先行のどちらなのか、マンションを売買するにあたっての費用はどのぐらい必要なのか、住み替えることでどんなメリットがあるのかなどをしっかりと確認しましょう。そうすることで失敗を減らすことができ、少ない労力や時間で住み替えることができます。