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中古マンション購入時にかかる諸費用は?種類や節約方法も解説

No.09

中古住宅のコト

中古マンション購入時にかかる諸費用は?種類や節約方法も解説

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中古マンションを購入する際は、建物だけでなくさまざまな費用が発生します。「この物件はいくらかかるのか?」だけではなく、仲介手数料や諸費用をふまえた上で資金計画をたてなければなりません。

そこで今回は、 中古マンション購入にかかる費用や諸費用を支払うタイミング、諸費用を節約する方法などを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

中古マンションの購入にかかる費用

中古マンション購入時にかかる諸費用は?種類や節約方法も解説

中古マンションを購入する際は、相場や過去の成約価格などを把握することが大切です。なぜなら、明らかに相場とかけ離れていることを知っていると信頼のおける業者であるかどうか判断することができるためです。

ここでは、中古マンション購入における相場や初期費用、税金などについて解説します。

相場

中古マンションの購入時にかかる費用は、物件価格と諸費用に分けられます。諸費用とは、物件そのものにかかる費用以外の仲介手数料や税金、登記費用などです。

中古マンション購入時に必要となる諸費用の相場は、 物件価格の6~10%程度が目安になります。

たとえば、2,500万円の中古マンションであれば、150〜250万円程度です。

中古マンションでは、リフォームをするケースが多くあるので、資金計画をたてる際には、リフォーム費用も考慮します。

過去の成約価格

過去の成約価格を調べる方法として、REINS Market Information(レインズ マーケット インフォメーション)があります。マンションが売買された直近1年間の成約価格を調べることができるので、周辺エリアの相場感を把握することが可能です。

市況情報

国土交通省が毎月公表している「不動産価格指数」で市況情報が確認できます。指数は、全国、ブロック別、都市圏別、都道府県別に分かれています。

2021年9月30日に公表された「不動産価格指数」によると、2021年6月分でマンションの不動産価格指数は165.8%。前月の5月と比べて0.8%上昇傾向です。

このように、毎月の不動産価格の動きを把握することができます。

初期費用

また中古マンションには、下記のような初期費用がかかります。

  • 頭金
  • 仲介手数料
  • その他の諸費用

それぞれについて解説します。

頭金

頭金は、住宅ローンとは別に自己資金で支払う現金の部分を指します。必ず支払うものではないですが、住宅ローンの審査や毎月の返済額としてメリットがあります。

仲介手数料

中古マンションは、不動産会社を通じて購入することがほとんどです。その仲介した不動産会社に支払う手数料です。
仲介手数料は、宅地建物取引業法により上限があります。取引価格と仲介手数料は、以下の通りです。

取引価格 仲介手数料
200万円未満 取引価格×5%+消費税
200万円超~400万円以下 取引価格×4%+2万円+消費税
400万円超 取引価格×4%+2万円+消費税

このように仲介手数料は上限がありますが、料金は不動産会社によって異なります。

諸費用

中古マンションの購入時には、物件の購入費だけでなく、下記のような諸費用がかかります。

  • 住宅ローンを利用する際の融資事務手数料
  • 登記費用
  • 火災保険料

税金

中古マンションを購入すると、下記のような税金がかかります。

  • 不動産所得税
  • 固定資産税
  • 都市計画税

それぞれについて解説します。

不動産取得税

土地や建物を購入したときにかかる税金です。登記の有無に関わらず課税される地方税です。ただし、借地の場合は、建物のみ不動産取得税が課税されます。

不動産取得税の税額は、課税標準額×税率で計算します。

建物における不動産取得税の税率は、2024年3月31日まで軽減税率が適用され3%となります。

土地における不動産取得税は、2024年3月31日まで取得した土地について、固定資産税評価額を2分の1に減額、税率を3%とする軽減措置が取られています。

さらに、中古マンションの場合は、以下のように築年数に応じて控除額が異なります。

新築年月日 控除額
昭和29年7月1日~昭和38年12月31日 100万円
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日 150万円
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 230万円
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 350万円
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 420万円
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 450万円
平成元年4月1日~平成9年3月31日 1,000万円
平成 9年4月1日〜 1,200万円

固定資産税

固定資産税は、毎年1月1日の時点で土地や建物などを所有している人に課税される税金です。4〜6月に納税通知書が届き、一括で納税するか、年4回に分けて納税するか選択できます。

固定資産税は、3年に1度評価額の見直しを行います。これを評価替えと言います。

固定資産税の計算方法は、課税標準額(固定資産税評価額)×標準税率(1.4%)です。

​​課税標準額とは、固定資産税を算出する基になるものです。

都市計画税

都市計画税とは、​​​​都市計画事業又は土地区画整理事業の費用に充てるため、市町村が目的税として課税します。たとえば、​​道路や公園などを建設するために使用されます。

毎年1月1日の時点で、市街化区域内に土地や建物を所有している人が課税対象となります。

都市計画税の計算方法は、固定資産税評価額×税率(上限0.3%)です。

中古マンションの諸費用を支払うタイミング

中古マンション購入時にかかる諸費用は?種類や節約方法も解説

中古マンションの諸費用は、いつ支払えばよいのでしょうか?支払うタイミングについて解説します。

マンション購入時にかかる初期費用

売買契約時は、​​下記のような初期費用を支払います。

  • 手付金
  • 不動産売買契約書の印紙税
  • 仲介手数料
  • 適合証明手数料

マンション引き渡し時にかかる諸費用

マンション引渡し時には、下記のような諸費用を支払います。

  • 残金決済
  • 登記費用
  • 住宅ローン契約書の印紙税
  • 住宅ローン保証料
  • 登録免許税
  • 融資事務手数料
  • 火災・地震保険料
  • 司法書士報酬

引っ越し時にかかる諸費用

引っ越し時にかかる主な諸費用は下記のとおりです。

  • 引越し代
  • 家具・家電の購入費用

入居後にかかる諸費用

入居後にかかる主な諸費用は下記のとおりです。

  • 不動産取得税
  • 固定資産税・都市計画税
  • リフォーム費用・リノベーション費用
  • 管理費・修繕積立金

中古マンションの購入にかかる諸費用を節約する方法

中古マンション購入時にかかる諸費用は?種類や節約方法も解説

中古マンション購入する際の諸費用を少しでも抑えるためには、主に下記のような方法があります。

  • 仲介手数料のかからない物件を見つける
  • 司法書士に依頼しない
  • 保険の内容を見直す

それぞれについて解説します。

仲介手数料のかからない物件を見つける

仲介手数料は上限がありますが下限はありません。そのため、安く設定していたり、中には「仲介手数料無料」の不動産会社もあります。

ただし、仲介手数料とは別に事務手数料がかかるケースが多くあります。

司法書士に依頼しない

司法書士に依頼せずに自分で登記手続きを行うと、登録免許税の支払いのみとなり、諸費用を節約することができます。司法書士に依頼すると、数万~数十万円はかかるので大幅に諸費用を抑えることが可能です。

ただし登記手続きは複雑で提出書類が多く、不動産登記の専門的な知識が必要になりますので、あまりおすすめはできません。

保険の内容を見直す

保険は、補償を手厚くすればするほど保険料がかかります。したがって、中古マンションの災害リスクなど、周辺環境も踏まえて不要な補償があれば、外すことも検討しましょう。

まとめ

中古マンション購入にかかる費用は、建物だけでなく、さまざまな諸費用がかかります。物件価格については、周辺の相場を正しく知り、過去の成約価格も調べておくことが望ましいです。

諸費用は、費用を節約できるものとできないものがあります。仲介手数料は不動産会社により異なります。上限額は設定されていますが、コンサルティング料など別項目で追加料金を請求してくる業者には注意が必要です。

必要に応じて、保険内容の見直しや自力でできる部分を見つけることで諸費用の節約にもつながります。また、税金については、軽減措置による減税ができる場合があるので確認しましょう。