RENOVATION
JOURNAL
リノベの情報マガジン
2021.10.26 火
No.08
リノベーションのコト
団地をリノベーションする方法は?メリットや注意点も解説
index
団地は築年数が古いものが多く、リノベーションを安価ですることができます。それだけに魅力を感じている人も多いのではないでしょうか。実際、団地をリノベーションすることには多くのメリットがあります。
ただし団地をリノベーションすることにはデメリットや注意点も知っておくことが必要です。今回はこれらに加えて団地をリノベーションする費用相場を解説します。
目次 [閉じる]
団地とは
団地は『住宅を一か所に集めて建設した地区』のことを指します。団地は多くの場合、集合住宅ですが、建造物そのものに特徴があるわけではありません。
ここでは団地についてマンションとの違いや生活データ、入居方法を解説します。
マンションとの違い
マンションは複数の住居が1つの建物に共存している集合住宅を指します。アパートとの違いがわかりにくいところですが、マンションは集合住宅のなかでも階層が多く、鉄筋コンクリートや鉄骨造の建物です。
これに対して団地は複数の建物が住居としてある、整備された区画のことを指します。集合住宅が多く建てられているケースが多いですが、一軒家のみの区画であっても団地に分類されることもあります。
このようにマンションと団地の違いは住居がひとつの建物に集約されているか、ひとつの区画に集約されているかです。
団地の生活データ
団地は築年数がかなりたっている物件が多く、家賃が安い傾向にあります。平成29年段階では全国に約3,000の団地があり、選択肢も多いです。
また団地は交通アクセスが便利で比較的大規模な市町村にも多くあり、20年以上住んでいる人も全体の4割以上いるため長く同じ物件に住みたい人にも適しています。
これらの生活データについてさらに詳しく知りたい人は、国土交通省『住宅団地の実態調査』を参照してください。
団地への入居方法
団地へ入居するには、その団地を運営している団体の入居条件を満たすことが必要です。団地の運営団体には以下のものがあります。
- 公営の団地(都道府県、市町村等)
- 都市再生機構(UR)
- 住宅供給公社
団地へ入居するには通常の賃貸物件と同じように審査を通過することが必要です。公営の団地の場合、所得が一定以下であること、同居する家族がいて住居に困っていること、保証人がいることが主な条件です。
UR、住宅供給公社の場合は一定基準以上の収入・貯蓄があること、入居開始日から1か月以内に入居できることが主な条件となっています。
これらが運営会社ごとの入居条件です。申し込みを行って書類審査などを通過する流れは通常の賃貸住宅と同じとなっています。
団地をリノベーションするメリット
ここからは団地をリノベーションするメリットを解説します。賃貸物件であってもリノベーションは可能ですが、それを特に団地で行うことにどんなメリットがあるのか具体的に知りたい人もいるでしょう。主なメリットは下記の2つです。
- 物件自体が安い
- 公団のため、耐震性が高い
それぞれについて解説していきます。
物件自体が安い
団地のなかには昭和期に建てられた古いものが多くあります。築年数が長いものになれば、それだけ物件価格は安くなります。
物件を安く購入できれば、その分だけリノベーションに費用をあてることが可能ですので、自分の思った通りの空間をつくれるようになるでしょう。
公団のため、耐震性が高い
住居など建物には耐震性を評価する指標としてIs値というものがあります。Is値は0.6以上で地震による倒壊の危険性が低いと評価されますが、団地の多くはこの基準を満たしています。
これは団地が多くの人が暮らす大規模な住宅であり、公団によって運営されているからです。日本では地震が多く発生します。なかには住宅が倒壊するような大規模なものもありますので、耐震性が高いことも団地に住むメリットのひとつです。
団地をリノベーションするデメリット
ここからは団地をリノベーションするデメリットについて解説します。団地のリノベーションには費用面や耐震性でメリットがありますが、古い物件であるがゆえのデメリットもあります。主なデメリットは以下の2つです。
- 古い物件が多い
- リノベーションできる範囲に制限がある
それぞれについて解説します。
古い物件が多い
団地は築年数がかなり経過した古い物件が多いです。そのため部屋をリノベーションしたとしても廊下など共用部に問題があるケースもあります。
また団地によっては5階以上の階層があるにもかかわらず、エレベーターがないということもありますので注意しましょう
リノベーションできる範囲に制限がある
団地のリノベーションは何でも思い通りにできるわけではありません。たとえば間取り変更をする場合、コンクリートの壁があるとその壁を壊すことができず思ったような変更ができないことがあります。
このほかにも物件が古いためにエアコンをつけられなかったり、給湯器の追い炊きができないといった制限がかかるケースもあるのです。
このようなリノベーションに関する制限は団地の購入前に確認しておくことが必要です。
団地リノベーションの費用相場
団地リノベーションの費用は床面積、そしてリノベーション方法が表層のみか床下配管まで行うスケルトンリノベーションかによって変わってきます。このほかの条件によっても費用は増減しますが、大まかな相場は以下のようになっています。
床面積 | 表層リノベーション | スケルトンリノベーション |
---|---|---|
40㎡ | 約350~440万円 | 約680~850万円 |
50㎡ | 約360~450万円 | 約700~920万円 |
60㎡ | 約380~450万円 | 約700~1,440万円 |
70㎡ | 約370~460万円 | 約770~1,504万円 |
80㎡ | 約400~600万円 | 約880~1700万円 |
スケルトンリノベーションの方が配管まで改築する分、費用は高い傾向にあります。ただし古い物件は配管が劣化している可能性が比較的高いですので、必要があればしっかりとスケルトンリノベーションを行うのがおすすめです。
団地をリノベーションする際の注意点
ここからは団地をリノベーションする際の注意点を解説します。団地をリノベーションする際は費用や部屋の間取りに目がいきがちですが、それ以外にも注意しなければいけない点があります。主な注意点は以下の5つです。
- 団地内のコミュニティとの相性
- エレベーターの有無
- 騒音問題
- 駅からの距離
- 耐震性や耐久性
それぞれについて解説します。
団地内のコミュニティとの相性
団地は公園や共用部でほかの住民と関わることもあります。そのため、団地内にあるコミュニティとの相性は重要です。
最近では近所づきあいのない家も多くなってきましたが、団地ではコミュニティに所属することもありますので、どんなコミュニティがあるかはチェックする必要があります。
エレベーターの有無
団地は古い物件が多いですので、エレベーターのない場合も多いです。そのため高い階層に住むのにエレベーターがないと不便な思いをしてしまう可能性があります。
団地を選ぶ際はエレベーターの有無を確認し、なければできるだけ低い階層を選ぶなど工夫をしましょう。
騒音問題
団地には多くの住民がいます。なかには子どものいる部屋の生活音などが気になってしまう可能性があります。
こういった騒音は事前に知ることが難しいですが、二重窓を設置するなど一定の対策をとることは可能です。
駅からの距離
団地をリノベーションして自分好みの部屋にすることができても、駅から遠すぎて交通が不便になっては住宅購入の意味が薄れてしまいます。
団地をリノベーションする際であっても、駅からの距離や周辺施設はしっかり確認するようにしましょう。
耐震性や耐久性
団地は公営のものですので基本的に耐震性や耐久性は問題ありません。ただし古い物件のなかには建築基準法が古いもののときに建築されたものもあり、その場合は新築よりも耐震性が低い可能性があります。
不安な人は事前に耐震性や耐久性は確認しておくようにしましょう。
まとめ
団地をリノベーションするメリット・デメリット、注意点を中心に解説してきました。団地をリノベーションすることには費用面でメリットがある一方で、住居の周辺条件など入居を決める前に注意する必要があります。
団地のリノベーションは物件が古いと購入費用を安く済ませられて、より充実した空間にすることができます。団地のリノベーションを考えている人は物件選びや注意点について、ぜひこの記事を参考にしてください。