RENOVATION
JOURNAL
リノベの情報マガジン
2022.12.20 火
No.28
リノベーションのコト
回遊動線のメリットとデメリットが知りたい!リノベーション時の間取りの考え方も
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回遊動線が良い間取りは、生活や家事効率を高めてくれるなど、たくさんのメリットがあります。同様に、人によってはデメリットと思われるポイントもありますので、想定されるメリットとデメリットを知らずに取り入れると、後悔することもあるので注意が必要です。
そこで本記事では、回遊動線のメリットやデメリットを紹介します。回遊導線や間取りの考え方なども一緒にお伝えします。
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回遊動線とは
回遊動線とは、できる限り行き止まりをつくらず、室内移動をスムーズにする動線のことです。玄関からキッチン、リビング、各部屋を行き止まりなく、ぐるっと1周できるイメージです。
多くの場合、生活の起点となるリビングやキッチンなどの場所から各部屋への接続がしやすいように設計されています。
回遊動線のメリット
お部屋の移動をスムーズにできる回遊動線ですが、他にも多くのメリットがあります。順番に紹介していきましょう。
家事の効率がアップする
各部屋にアクセスできる動線があれば、玄関からキッチンに直行して買い物したものをすぐに片付けられたり、洗面室で洗濯した後すぐにベランダに向かえたりと、家事移動のショートカットができます。
また、水周りに回遊動線をつくれば、キッチンで料理をしながら洗濯機を回しに行くことも可能。家事の効率が上がると、時間と心に余裕もできるのでおすすめです。
動線の混雑を回避できる
複数アクセスができる回遊動線は、忙しい朝や大家族にもぴったりです。出社や登校時間が被るご家庭の朝は、キッチンや洗面所が混雑しがちになります。
往来も頻繁になることから、回遊性のない動線だと通路をふさがれることも考えられます。回遊動線のある間取りであれば、そうした混雑による衝突も解消されるでしょう。
開放感のある空間になる
回遊動線は移動をスムーズにするために、余計な壁などをつくりません。遮るものが少なくなるので開放的な空間になり、部屋が広く感じられます。
家族の気配も感じやすくなるため、小さなお子様がいるご家庭にもおすすめです。
回遊動線のデメリット
メリットと合わせて知っておきたいのが回遊動線のデメリットです。デメリットをしっかり理解して対策を練っておけば、後悔や生活してからのギャップが生じにくくなります。
ここでは、回遊動線の具体的なデメリットと対策を紹介します。
収納スペースが減る
回遊動線を取り入れる場合、できるだけ余計な壁やスペースなどを取り除くので、収納スペースも少なくなってしまう場合があります。
そのため、別の場所に収納スペースを設けたり、壁面収納や収納機能がついた家具を選んだりと工夫することが大切です。
コストがかかる
回遊動線をつくると通路やドアが増えるので、施工費や材料費などの建築コストが高くなる傾向です。また、回遊動線のために延べ床面積を増やす場合もコスト増加の原因になります。
回遊動線をつくることで得られる快適性や時間の余裕を考えると、費用対効果は高いですが、ご自身の予算を考慮した上でしっかり検討する必要があるでしょう。
プライバシーを保護しづらい
回遊動線は、各部屋にさまざまなルートでアクセスできるのがメリットである反面、アクセスが柔軟だとプライバシーを確保しにくいのがデメリットと言えます。
浴室や寝室などのパーソナルスペースが自由に行き来できる場合、人の出入りがストレスに感じる人もいます。プライバシーを保護したい場合には、気になる箇所に鍵を設置するのがおすすめです。
リノベーションに悩んでいる人向け!回遊動線をおすすめしたい人
上記で紹介したように、回遊動線のある家には、メリットとデメリットがあります。メリット・デメリットを知った上で、自分の暮らしに合っているのか決めきれない方もいるでしょう。
そこで、ここでは回遊動線がどんな人におすすめなのかを紹介します。
実現したい暮らしがある人
回遊導線をつくることによって、家事がスムーズになるため「朝食づくりと洗濯を同時並行したい」「帰宅後お風呂に直行したい」など、回遊動線のメリットを活かし、実現したい暮らしがある人におすすめです。
開放的な空間になるので「気持ちも晴れやかに暮らしたい」「モノで溢れる生活を避けたい」と考える人にも良いでしょう。
効率的に空間を活用したい人
回遊動線は、通路や出入り口の確保のために、収納スペースや生活スペースが少なくなってしまう傾向にあります。しかし、そうしたデメリットを逆手にとって、一つの出入り口や動線に複数の役割を持たせると、効率的に空間を活用できます。
また、収納スペースや生活スペースを確保しようと工夫が生まれるので、暮らしにハリが出るでしょう。
リノベーションに役立つ!回遊動線がある家にする間取りの考え方
回遊動線を作るのであれば、綿密に間取りをシミュレーションすることが大切です。最後に回遊動線がある家にする間取りの考え方をポイントに分けて紹介します。
往来がスムーズにできる広さを確保する
せっかく回遊動線をつくっても、スムーズに往来できなければ快適な回遊動線とは言えません。人が一人通れるようにするには、最低でも600mmほどのスペースが必要です。
すれ違うとなると780mmのスペースは確保しておきたいので、こうした数字も頭に置いておくと良いでしょう。
通路は必要最低限にとどめる
通路は「生活スペースを減らしてしまう」ことを念頭に置いて間取りを考えるのが重要です。
できる限り、通るだけになってしまう通路を設けず、複数の使い方ができる空間になるように工夫しましょう。
収納スペースを別で設置する
デメリットでも紹介したように、回遊動線をつくると自ずと収納スペースが減ってしまいます。そこで、収納スペースを増やすために回遊動線に壁面収納を設置しましょう。
よく利用する動線に収納スペースを設けることで、片付けの効率もアップし、片付ける習慣も自然と身に付きます。
子ども部屋への回遊は慎重に検討する
子ども部屋と親の寝室をつなげば、子どもの見守りがしやすく、安心して遊ばせることができます。しかし、子どもが大きくなるに連れて、プライバシーを確保してあげることも重要になってきます。
そのため、回遊動線に子ども部屋も組み込む場合には、現在の子どもの年齢を考慮したり、鍵をつけたりするなど、慎重に検討することが大切です。
回遊動線が本当に必要かどうか考える
暮らす人数やライフスタイルによって、回遊動線をつくらない方が満足できる間取りになる場合もあります。
ご自宅の延べ床面積の広さをはじめ、動きやすさや収納スペースの確保など、自分にとっての優先順位を整理し、本当に必要かどうか判断してみてください。
まとめ
回遊動線をつくるのであれば、メリット・デメリットを理解し、ポイントを押さえてリノベーションするのが大切です。回遊動線を取り入れることで、自分たちの暮らしが豊かになるのか、今の不満が解消されるのかを熟考した上で決断すれば、後悔のない豊かな暮らしが手に入るでしょう。
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