RENOVATION
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リノベの情報マガジン
2022.09.21 水
No.19
中古住宅のコト
マンション購入に年収はいくら必要?購入にかかる費用もご紹介
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家を買おうと考え始め、購入する住宅としてマンションを視野に入れたときに、まずはどの価格帯のマンションが買えるのかということが気になる人が多いでしょう。
家族構成や生活により求める広さや場所が異なります。物件に求める条件で価格も違ってくるため、マンション価格は重要視すべき点です。マンション購入をする場合には、マンションの住宅そのものの売価だけではなく、その他に費用がかかってきます。
また、マンション購入価格は買主の年収で変動します。住宅ローンの審査が年収に左右されるのが大きな理由です。現在の年収で、購入できるマンションがおよそいくらぐらいか知っておきましょう。
今回は基本的な目安として、年収から購入できる価格、そして準備しておくべき諸費用を解説します。
目次 [閉じる]
マンション購入時に用意しておく必要がある費用とその相場
マンション購入時には、住宅ローンを利用する人が多いため、住宅購入資金の多くを借り入れで支払うことになります。
一括で購入するための現金や預金を用意する必要はほとんどありませんが、住宅ローンでまかなえない費用は準備しておく必要があります。
頭金はなるべく多めに準備
住宅ローンの審査を受けて、審査が通れば借り入れ金額を、利子も含めて毎月支払うことになります。このときに、全額をローンに頼るのではなく、一般的には頭金が必要です。頭金を多く支払うほど、住宅ローンの負担額が減り、ローン審査通過のハードルも低くなります。マンション購入を検討しはじめたら、頭金は多めの金額を準備しておきましょう。
頭金は、購入するマンション価格の1割程度あるといいでしょう。これを目安とするべきなのは、購入するときの住宅ローン金利も視野に入れて計算しておく必要があるからです。
ローン審査が通過して購入が決まったときに、準備していた頭金が、その後支払う住宅ローンに対して少なめになり、支払額が予想より多くなる可能性もあります。
いつ購入するか計画を立てて、頭金はできれば余裕を持って貯金するのが安心です。
諸費用はいろいろな種類がある
諸費用はマンションという不動産を購入したことで支払う税金や登記のための費用、諸々の手数料が含まれます。税金や登記に関する費用については後述します。
まず住宅ローンを利用する場合に、住宅ローン事務手数料、場合により提携ローン融資費用やつなぎ融資費用という費用が発生します。住宅ローンの審査、そして通過して手続きの段階で支払う必要があります。
不動産取得で支払う税金
マンションは固定資産という大きな不動産です。固定資産を購入し、その所有者になることで、取得時と所有し続けることにより、支払うべき税金が発生します。
マンション購入が決定し、所有者になった時点で支払う税金として、大きな金額となるものに「不動産取得税」があります。不動産取得税は【固定資産税評価額 × 3%】が目安です。固定資産税評価額は、一定額ではありませんので事前確認しておきましょう。
この不動産取得税は、マンション購入時1回だけの支払いです。マンション購入後、物件引き渡しが済んでから、およそ半年で納付書が届きます。
また金額は大きくありませんが、マンション購入契約のときに印紙税が必要です。不動産売買契約の印紙税が1万円、住宅ローン締結の際に金銭消費貸借契約に対する印紙税が2万円、これを契約時に支払います。
登記費用はマンションを自分の物件とする手続きのため
マンションを購入して契約をすれば、それで自己所有物件とすべて公に認められるわけではありません。不動産が自分のものであるという登記、自分に所有権が移転したという登記、これを所有権移転登記といいます。
また住宅ローンを組む場合には、物件に抵当権を設定するため、抵当権設定登記が必要となります。不動産であるマンションにかかる登記、この手続きをするために登記費用も初期費用として計算に入れておかなければなりません。
それぞれの費用相場は、数万円の金額相場で幅があります。所有権移転登記は、10万円から20万円ほどを相場として準備しておきましょう。
登記費用のなかには登録免許税も含まれており、物件の評価額に応じて金額が異なります。評価額が高い物件は、登記費用が高くなるので注意が必要です。
抵当権設定登記費用は、住宅ローンを使うときには高くなり、建物の評価額によって異なりますが10万円~15万円が相場と捉えておくと良いでしょう。
抵当権は住宅ローンの支払いが滞った場合にマンションが持ち主の所有物ではなくなり、債権者が競売にかけることができるように設定しておくものです。これも含めて、年収や頭金を計算し、購入できるマンション価格を考える必要があります。
マンションの維持にかかる費用と相場を知っておく
マンションを購入すれば、住宅ローンの支払いが開始です。毎月の支払いとして、住宅ローンは決まった金額となります。それ以外には、毎月、または年に1回から数回と定められたマンション維持費の支払いが加わります。
マンションは一戸建てと違い、個別室内の補修や清掃だけではなく、建物全体の維持や修繕が必要になります。
住宅ローンの返済
マンションを住宅ローンで購入した場合には、毎月の返済が必要です。毎月の負担を減らすためにボーナス払いを設定していると、月々の返済以外にボーナス月にはその支払いがかかってきます。このボーナス払いは、通常の返済額が免除されるわけではなく、毎月の返済にプラスされてボーナス払い分の返済額となるので意外に大きな出費です。
住宅ローン返済額は、勤務先に何年在籍するか、給与収入がローン審査を申請した現時点のまま安定する見通しがあるかを考えて設定しましょう。
管理費
マンションは自分自身でメンテナンスをする不動産ではなく、共用部分の清掃や必要消耗品の交換、防犯対策などは、管理会社や不動産会社などが行います。そういう管理にかかる費用を、毎月、または年間の定期的な時期に管理費として支払います。
外観や内部共用部分の老朽化、劣化に対する修繕をするために修繕費の積立金が必要なマンションも多くあり、10年単位で大がかりな大規模修繕をするために積み立てておくケースがほとんどです。
生涯住み続けるマンションとして購入して大規模修繕でマンションの資産価値が維持されることで、住環境が整えられるという理由やいずれ高く売却して転居を考えていて修繕されることが好ましいという理由がある場合には、修繕積立金が多少高めでも値打ちがあります。
一方で投資のために購入することを考えていたり、いずれ別の家を購入してすぐに転居したりすることが想定されている場合には、修繕積立金は安いマンションのほうがいいでしょう。
不動産を所有すれば毎年払う税金も
不動産を所有した段階で支払う税金を、不動産所得税として前述しました。その他には、毎年支払う税金として固定資産税と都市計画税があります。
税金はマンションを購入し、所有し続けると、物件価値に応じて支払い続けるべき費用です。税額はしっかり確認して計算に入れておきましょう。
マンション購入時の平均年齢
マンションを購入することを考えるタイミングや実際に購入した人の年齢は平均してどれぐらいか、知っておきたいところです。
実際にマンションを購入した人は、40歳以上になってからが多く、平均年齢は43歳から44歳となっています。勤務年数が長くなり、役職についているケースも多く、住宅ローン審査が通りやすいということも理由になるからです。
年収ごとの購入金額相場・ローン借入・返済額
マンションがいくらで購入できるかが気になる点です。理想的な間取りのマンションを、立地のいい場所で買いたいというのが一番の希望という人は多いでしょう。
中古マンションで価格が暴落しているなどで、ローンの借入額範囲内で購入できる場合もあります。自分で購入できる金額相場、ローンを借りた場合の借入金額と返済額を知っておきましょう。
年収ごとのマンション購入金額目安
まずマンション購入の可能額です。年収により、どれぐらいの価格帯でマンションが買えるかを知りましょう。
購入可能なマンション価格は、金利が大きく変動するため一定ではありません。金利が低い時期には、不動産価格にかかる税も安くなり購入価格全体が安くなります。金利が低いときに住宅ローンを固定金利返済で契約すればトータルの返済額を安く抑えることが可能です。
金利が3%の頃には、年収の5倍を目安に購入価格を抑えるとされた時期もありましたが、1%金利が続いている状況では、年収の7倍以上になる物件も買えるといわれます。
地域差も大きいため、大都市圏でのマンション購入倍率は高めです。都心部になると10倍を超える物件や地域もあります。
年収ごとに組めるローンの借入額
住宅ローンは当然のことながら返済が必要です。ライフプランを見極めて、現時点から一般的には定年退職までに支払い終えることが可能な返済額で計画を立てて住宅ローンの審査を受けましょう。
年収400万の人が35年ローンで購入資金を借り入れた場合、金利によりますが、2,000万から2,800万のマンション購入を検討できるローンを借りることができます。
年収ごとの月々住宅ローン返済額
住宅ローンを無理なく返済するには、年収の20%に抑える金額とされます。年収が生涯安定して、ローン審査通過時点より大きく下がらないことが前提です。
転職や倒産などで、状況が悪化することも視野に入れ、返済滞納を防ぐ予備の収入や貯蓄も考えておくのが安心です。
マンション購入時の注意点
マンション購入の時には、物件価値や住宅ローン設定の時期が価格に反映されている可能性があります。購入を検討し始めたら、以下の点に注意しましょう。
- 物件や周辺の災害リスクを確認する
- 住宅ローンを組む時期を考慮する
- 物件の周辺環境・物価等を把握する
それぞれについて解説します。
物件や周辺の災害リスクを確認する
マンションの周辺はよくチェックしておきましょう。土砂災害や高潮被害の危険、地盤が緩いなど、自然災害に見舞われやすくないか、災害リスクが理由で価格が暴落していないか調べることが大切です。
地盤沈下や液状化などで物件が大きな損害を受けて補償対象にならない場合があります。
過去に大きな事故が何度も起きていて、生活するうえで通勤通学に危険をともなうケースなども好ましくありません。
住宅ローンを組む時期を考慮する
住宅ローンをどの種類の金利で設定するかによりますが、固定金利で審査を受ける場合には、金利が下がっているときを狙いましょう。
1%の差でも、20年から35年という長期返済が一般的な住宅ローンでは、最終的な返済額に大きな金額差となります。
物件の周辺環境・物価等を把握する
同じマンションで同じ間取りの部屋や、近隣でほぼ同じ条件のマンションをチェックして、物価を比較してみましょう。
購入希望のマンションだけが、なぜか高いか、逆に安い場合には、不動産会社に理由を聞いてみる必要があります。
まとめ
マンションは不動産購入、固定資産所有という一生に何度もない大きな買い物です。
住宅ローンを使うことが一般的なため、年収を含めた現在の状況と将来的な見通しをしっかり把握して資金計画を立てなければなりません。その安定性により、年収300万でも買えるマンションもあり、800万の人でも難しい場合もあります。
どれぐらいのマンションが買えるか、年収から返済額などを計算して、希望物件により近いマンションを探していきましょう。